yoshinoraicho’s diary

30代の日々(吉野雷鳥日記)

星野道夫的生き方

星野道夫は写真家でありながら文章も書いているが、あの人独特のきれいな文章(なんと説明していいかわからない。)はほれぼれとする。

とにかく自然体なというか。

変に文をこねくりまわしていないし、ただ自分が満足してるだけのイタい文を書く人なんかとは全然格が違う。

星野道夫の文章を読んでいるとアラスカのせいひつな空気が感じ取れるようななんとも不思議な気持ちがする。

あと生命の大きな循環や時の流れへの浄化的な感じ(!?)をグッとくる文で書いている。

著者が家で薪ストーブをたいている時にわき起こる考えが次のように記されている。

 

「ストーブの炎を見つめていると、木の燃焼とは不思議だなと思う。二酸化炭素、水を大気に放出し、熱とほんのわずかな灰を残しながら、長い時を生きた木は一体どこへ行ってしまうのだろう。(中略)生命とは一体どこからやって来て、どこへ行ってしまうものなのか。あらゆる生命は目に見えぬ糸でつながりながら、それはひとつの同じ生命体なのだろうか。木も人もそこから生まれでる、その時その時のつかの間の表現物に過ぎないのかもしれない。」(『イニュニック アラスカの原野を旅する』p.36-37)

 

あとがきに、アラスカでの暮らしが長くなったことについて以下のように記している。

 

「人と人とのつながりのように、長い歳月を共に過ごすということは、動かしがたいひとつの力をもつものであり、たとえそれが小さな関わりであれ、何かいとおしさが湧いてくるものです。そのいとおしさとは、相手に対してであり、また、過ごしてしまった歳月へのいたわりなのでしょう。少しずつその相手が変わり始め、さまざまな問題が生まれつつも、出来る限り一緒にいて見届けたいと思うものです。今は、そんな気持ちでアラスカという土地を見つめているような気がします。」

 

星野道夫、かっこいい!!