yoshinoraicho’s diary

30代の日々(吉野雷鳥日記)

『食える仕事 食えない仕事』を読んで。1

以前の記事で今の会社を辞めようと考えていることを書いたが、先日会社には退職願いを出し、現在転職先を探しているところ。

そんな時、図書館でたまたま『食える仕事 食えない仕事』(渡邉正裕著、東洋経済新報社)という本を見つけて借りて読んでみると、とてもいい本で転職を考える上で読んで良かった。

 

なぜ主要先進国の中で日本だけ賃金が下がり続けているのか。それが分かった。

それは簡単に言えば、他の先進国に比べ業務のIT化・AI化が全然進んでおらず、生産効率が低いためだ。

他の先進国はIT化・AI化を促進させ、労働時間を減らしながら賃金のアップを実現させている。

2018年までの20年間でイギリス83%・アメリカ75%・フランス66%・ドイツ56%賃金が増え、IT化を急速に進めた韓国は2.7倍にもなったそうだ。

キャッシュレス化を進めた国ほど賃金が上がっているという相関関係もあった。

 

日本を見ればキャッシュレス化はあまり進んでいない。

都会である京都でも未だに現金で支払う人を多く見る。

 

キャッシュレス化が進まない理由は高齢者の割合が他国よりも高いからだと思う。

年をとった人は変化を拒む傾向にある。

新しいことに順応するのが億劫でめんどくさい。

企業の役員も高齢な人が多いからなかなかIT化・AI化を導入する気が起きない。

また導入すると自分の仕事が奪われるのではないかという危機感から拒絶しようとする。

だから日本ではIT化・AI化は進まない。

これでは労働生産性が悪く労働時間が長くなる。

 

また民族性も関係してるだろうけど、欧米は働くことをあまり美徳と考えてない。しかし日本は働くこと、特に長時間働くことが美徳だと思っている節がある。

そんな考え方の違いもあって欧米人は機械に働かせればいいものはさっさと機械にまかせようとするだろうし、一方で日本はそんな考えはなかなか生まれないのではないか。

 

そうこうしているうちに他の先進国と相対的に日本の経済力は低下し、貧困国になり下がろうとしている。

 

特に日本は労働力人口が少ないのだから積極的にIT化・AI化を進めて少人数で業務を行えるようにしなければいけない。しかし政府は経団連の圧力で労働力人口を増やすために外国人労働者の受け入れを進めようとしている。

 

しかし順序が逆で、まずはIT化・AI化を進めて、それでも人が足りなければ外国人労働者を受け入れるというのが本来の手順だ、という著者の考えは全くその通りだと思う。

 

外国人労働者は安い賃金で雇える。そうするとそれに引きづられて日本人の給料も下がってしまう。経団連としては給料を下げたいという思惑がみえみえで腹が立つ。